生まれて初めて築く関係~愛着 その5(最終回)
こころの相談室 カウンセラー金矢英彦
これまで4回に渡り『愛着関係』についてお伝えしてきました。
今回はその最終回として、とある小学1年生の母と子の関わりの一コマをお伝えします。
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その男の子は、朝、お母さんと登校しました。昇降口まで来たものの、お母さんと離れられなくてギャン泣きになりました。
出迎えに来た先生も困り果てます。
男の子は、苦しみながら泣いています。
自分の全ての思いを搾り出しながら、体を反らして、お母さんの腕からこぼれ落ちそうに泣いています。
なんとか抱き抱えながらその子を見て、
「先生、一回連れて戻ります」母
「わかりました。よろしくお願いします」担任
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お母さんは、帰り道の公園に立ち寄りました。
男の子は、今は、すすり泣きになっています。
ベンチに一緒に座ります。
「遊んで、いいの?」男の子
「いいよ」母
少しして、男の子は、動き出しました。何かしたいな~何しようかな~
お母さんは、ベンチに座ったまま見ています。
男の子は、時々、振り返って、お母さんが近くにいることを確かめながら、なにやらしています。
もう、涙は乾いています。
少しニコニコしています。
また、お母さんを確かめます。
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♡少し放して好きにさせる。
子どもは、お母さんが近くにいて自分を見ていてくれると確かめられると、一人遊びができます。
♥寂しくなったり怖くなったりしても、振り向くと、ニッコリしてくれるお母さんがいる。
♡安心してまた遊べる。
♥疲れたり飽きたりしたら、すぐ戻ってきて、お母さんに甘えられる。
♡これやっていいの?と承認を求めることができるし、助けてもくれる。
見守っているが、手出しはしない。
自分で進んで行うことを損ねない。
信頼と安心が育まれる。
こんな関係、羨ましいですね。
こういうことから、一人立ち(自立)への歩みが始まりますね。
できたらいいですね。
そして、ついつい、他の子と違うとか、他の子はできているのに~とか思いがちですが、
その子を丸ごと受け止めることが大事ですね。
その子のペースを大事にしてあげることが大切ですね。
大人になりつつある(なっている)お子さんとて、同じだと思うのです。
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これまでの4回と併せて読んでいただき、何かお役に立てたら幸いです。
生まれて初めて築く関係~愛着
とりあえず、一区切りとさせていただきます。
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