風の時代 その3~地の時代
こころの相談室 カウンセラー金矢英彦
風の時代の全体的なお話は前回お伝えしました。
今回は、まずはこれまでの時代『地の時代』について、少し詳しくお伝えしましょう。
地の時代の価値観の基となるものは、
見えるもの、数字で表せるものなどとされていました。
そして、物、所有、有形の財産、組織が大事とされていました。
●会社では、ノルマ、売り上げで出世することが目的で、対価としての報酬が大事。
●学校では、テストの点数、その結果の順位、偏差値が判断基準。
●暮らしでは、出世や報酬にふさわしい家、車、装飾品がステイタスとして大事。
ですから、「ここまで進め、ここを越えろ、届かないと不合格」と、さながら追い立てられるような毎日です。
ここには、
♦個人の適性、やりたいこと、その人らしさなどは、評価としてなかなか入り込めないのです。
それらを測るのは難しいですし、始めに合格ラインを設けて、そこに努力を向けさせる方が「比べやすい」し、結果も「とても分かりやすい」のです。
それだから、
♦自分がこの時代の「価値ある人」と評価されるよう認められるよう、背伸びしたり、ミリ単位の差にもこだわる競争をした(させられた)。
無理を重ねたんです。
その中で育ってしまったのは、
♦勝利とか敗北の感覚です。
「戦った!」「勝った!」「これで認められる!」
「負けたから認められない」「自分はダメだ」「あきらめよう」...
こんな中で、認められるために、自分を装い、競って、なんとか存在感をもてると感じられたら、ホッとひと安心。
短い間しか持てない安心。
♦勝ち負けだと、勝ちは負けを見下しがちになります。負けは自分を卑下し卑屈になりがちになります。
ありましたよね、「勝ち組」「負け組」という言い方。二極化が生まれます。
さらに、
♦そんな中で、マイペースでいる人の事を「やる気のない人」「世捨て人」みたいに扱う。
マイペースはあまり評価されない風潮でした。
それでも、
●何も変えずに表向きは成り立っていたのは、日本で人口が増え続けていたからだと思うのです。大学や雇用側は勝ちを拾えたのでしょう。
*人口がどんどん増えていった時代の中だから、言わば「足切り」とか「ふるい落とす」やり方が成り立っていたと考えられるのではないでしょうか。
*入試や進学でも、入るまでは地獄、合格したら、多くは安心・楽チンみたいな学生生活ができる感覚になってしまう。これも一例です。
しかし、
♦勝ち負けでエネルギーが強く出せてはいたものの、一方で、自分の価値には、いつも不安がつきまとっていたのではないでしょうか。危うい価値に。
『ありのままの自分』では勝てない(ダメだ)と考えてしまうから、装う、無理をする。苦しむ人が増えざるを得なかったのでしょう。
よって、
♦足りない自分は、分かりやすい見えるものでアピールし、少しでも上を目指す競争にエネルギーを使っていく(自分をすり減らしていく)。
みなさん、認められるため、家族のために、がんばってきたんです。
根性で、精神論で、、、
●「それが人生。そういうものなんだ...」
だからこそ、
♦辛くても苦しくても我慢して、いろいろ犠牲にしても、努力し続ける人が立派、手本というイメージが成り立っていたのではないでしょうか。
今の60歳代以上の方々は、確実にそれらの流れの中で「がんばってきた」世代でしょう。
もちろん、苦しんできた人ばかりではないと思います。厳しい時代をしっかり生きてこられた人もいるでしょう。
ただ、必要以上に苦労したり辛い思いをしたり、自分を犠牲にすることが続いたりした人は多かったと思うんです。
だんだん、世の中は変わってきました。「あたりまえ」が限界となり、
「こんなもの」では済まされない、
複雑で様々な壁と可能性が混ざり合う時代に入っていると感じます。
その下の世代も含めて、今に続く、
「変えなければ」、「変わらなければ」のうねりは、
産業、働き方、教育、社会福祉、、、
どの分野でも起こっています。
価値観は変わりつつあります。
それが、風の時代に重なっていきます。
持続可能な社会での「私たちの社会や生き方」
どう変われば良いのでしょう?
どこを目指すのか、です。
・・・・・・・・・・・・その4につづく
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