皆さまこんにちは。

盛岡市地域おこし協力隊の知念と申します。

私は野生鳥獣被害対策担当として、盛岡の全域で活動しています。

全域というと、まるであらゆる場所に足を運んでいるようですが、その殆どは中山間地域と呼ばれる山間部に面した里山地域です。

野生鳥獣被害対策とは？

ざっくりとご説明すると、野生動物がもたらす農畜産物被害を未然に防ぐための対策をしたり、被害を出した動物を捕獲したりする活動（事業）です。

山に野生動物が増えてしまった今、盛岡の各地でも日々人と動物とのトラブルが起こっています。

しかし普段街中で生活を送っていると、あまりピンと来ないのではないでしょうか？

私も盛岡に越してくる以前はそうでした。

秋の味覚から見える野生動物との関わり

突然ですが皆様、秋の味覚、楽しんでますか？

こちらは先日おすそ分けしてもらった栗ご飯の写真です。（美味しかったです）

実は、秋の味覚である栗ご飯一つとっても、野生鳥獣と人との関わりが少しだけ見えてくるのです。

木々も色づき、栗拾いにもすっかりいい季節になりましたね。

そんな人間も大好きな栗は、ツキノワグマやイノシシの好物の一つでもあり、山ぎわの栗の木の近くはそんな動物たちにも出会う可能性が高い場所と言えます。

基本的に野生動物は人間の存在を感じると自ら離れていきますが、動物は食べるのに夢中、人は栗拾いに夢中、という状況で近くで鉢合わせてしまうと危険です。

こういった事故を未然に防ぐためにも、栗拾いなどで山の近くに行く際には携帯ラジオや熊鈴などで音を出し、人間がいるという事をアピールすることで、不用意な遭遇を減らすことが出来るといいます。

日本人の食卓には欠かせないお米もまた、野生動物が好んで食べる作物の一つです。

農家さんはせっかく育てた作物が食べられてしまわないように、田畑の周りを柵で囲ったり、動物の隠れ場所になる藪を狩り払ったりする必要に迫られるようになりました。

ドライブなどでお出かけの際は、是非田畑の様子も気にかけてみてください。

前より少しだけ物々しくなった農村風景に気がつくかもしれません。

移り変わってゆくことは世の常ですが、私は少しさみしい気持ちになるのです。

さて、今回ご紹介した事例はほんの一例です。

しかし、私たちが日々口にする食べ物の裏側にも、このような野生動物との関わりが少なからずあるのです。

自然の恵みがより一層味わい深くなり、長い冬を前にあちこちへお出掛けしたくなるこの季節。

少しだけそんな人と野生動物の関わりについて思いを馳せてみてください。

それでは、読んでいただきありがとうございました。

↓のようなチラシも作成しております。是非合わせてご覧ください。(第二号も鋭意作成中！)

【#1創刊号】さとやまけもの通信.pdf